森のしるべ人の記録
2025/05/17 16:42
桜が散り、森の緑が少しずつ濃くなってきた5月。
ウツツの畑では、青大豆を蒔く準備が始まっています。
まだ朝はひんやりとして、空気の中に土の匂いがまじる頃。
スコップを入れると、ふわりと冬の気配が立ちのぼってきました。
宇津々の畑では、春の土づくりが始まっています。
ふかふかの大地に、種をひと粒ずつ落としていくとき、
わたしたちはただ「願う」ことしかできません。
雨が降りますように。
風が穏やかでありますように。
根がしっかりと、土をつかんでくれますように。
発酵は、待つこと。
そして、農もまた「待つこと」から始まります。
麹や味噌、そして小さなおやつも——
すべては、この畑から生まれていきます。
ウツツの森では、今年もまた、ひとつの季節が静かに動き始めました。